クラシック音楽に使われて居る楽器や基本的な楽曲に関しての、“入り口のご紹介”シリーズ、今回はフルートを取り上げて見ます。
フルートとは、西洋の横笛でして、オーケストラのほぼ真ん中で、楽器を横に構えて演奏する唯一の楽器ですので、ご覧になれば「あれがフルート」と直ぐに判ります。西洋横笛と態々申しましたのは、東洋にも或いは和楽器にも同種の横笛が在りまして、楽器の長さや音程を制御する仕組みの複雑さ等で見てくれは違って見えますが、音の出し方から出て来る音迄基本的には同じですので、良く似た音なのです。従いまして、我が国にフルートの愛好者(演奏をする人と共に音楽を好む人)が、多いのも頷けます。
楽器としては多分最古の楽器の一つだと思われます。音を鳴らす弁を使わない構造ですので、音色に透明感があり、そこが好まれる理由の一つでも在ります。管弦楽の中では、木管楽器に属します。演奏されているフルートを見ますと、外見は金色や銀色した金属性の楽器が多いので、何故木管なのかと思われると思いますが、この10年位の間に木で作ったフルートを吹く専門家が増えましたので、良くご覧になって下さい、黒い色の楽器を使っている奏者が見当たりませんか、居ればその奏者が使って居る楽器が木製のフルートです(昔は、全て木管だったのです)。フルートの短くて細い楽器をフルート奏者席で吹く事があります。こちらはピッコロと呼ばれ高く鋭いフルート音を響かせます。ピッコロは木製の管の方が普通かも知れません。
さて、この楽器を使った曲は古い曲からあります。ルネッサンス時代やバロック時代から器楽曲の花形の楽器でしたから。数多くの名曲の中から、我々に馴染み易い曲を何曲かご紹介しましょう。
・ ドップラー作曲 「ハンガリー田園狂詩曲」
何だか物理の先生のような名前ですが、この一曲のみで知られた作曲家です。フルートの発音機構は原理的には尺八とも同じです。その尺八や日本の横笛を使った日本のメロディーと言っても不思議で無い曲想を持った曲で、我が国にファンが多い曲です。
・ 宮城道雄作曲 「春の海」
これこそ元々は尺八と琴の為に作られた曲です。尺八で聞くと実に気持ちの良い曲ですが、フルートとハープの為に編曲され、その編成での録音も多く在ります。出来たら、尺八とフルートとを聞き比べて下さい。同じ曲が、同じ印象を与える箇所や表現と、違った印象を与える箇所や表現が伺えて興味尽きないものです。
・ モーツアルト作曲 「フルートとハープの為の協奏曲」
先の春の海では無いですが、フルートとハープとはどうやら相性の良い間柄の様で、モーツアルトはこの二つの楽器を独奏楽器に仕立てた協奏曲を残して居ります。花が咲き乱れる春の野山に居る様な気分にさせて呉れる名曲でして、気分的に沈んだ時などに聞きますと元気が湧いて来ます。独奏の二つの楽器の絡みも聞いていて実に楽しいものです。
モーツアルトには、フルート独奏の協奏曲が二曲在ります。どちらも楽しい曲である事は、前曲と変わりません。中には、この三曲を全て組み込んだCDもありますので、お買い得と申うせましょう。
・ バッハ作曲 「フルート・ソナタ」BWV1020、1030~1035
バッハと聞くと小難しい曲を膨大に書いた古典派の大作曲家と頭に浮び、さて好んで聞こうと言う気が起きないと言われる向きも多いかと思います。古典技法であるフーガを完成し、その形式をキッチリと守った曲を多く残して居りますので、そんな印象を持つのは極く自然の事かと思います。でもこの曲集は少し違った印象を与えて呉れるのでは無いかと思われます。バッハは、実に野太い健康な人生観や宗教観を持った人の様で、後世の作曲家の様な病的な発想など全く無縁です。その健康な感性が、これまた健康なロマンティシズムをふんだんに含んで展開するのが、このフルート・ソナタの数曲なのです。チェンバロ(時に他の低音楽器も一緒に)の伴奏の上で、展開される曲を聞きながら、丁寧に煎れたコーヒーでも飲んで下さい。健康とは如何に素晴らしいか、そんな感慨迄胸に浮ぶかも知れません。
一昔前に、森 正と言う指揮者が居りました。この人は、最初はフルート奏者として出発した人で、使って居た楽器が木製の管の(黒く塗った)楽器だったのです。欧州から購入したその楽器は、日本の気候に中々馴染まず、その保持と手入れには森先生大分苦労をなさったそうです。その内に、ダブルの背広の上着の内側に特別なポケットを作り、そこにケースに入れた楽器を入れて、この上着を始終着ていると楽器の機嫌が良い事を発見し、以後ずっと実行したと言われます。文字通り肌身離さず大事にしたと言えましょう。
実は、フルートに関してももっと書きたい事が在りますが、この位にして置きます。
このチケットの求め方も、パソコンネットワークが稼働する前と今とでは、大変に変わりました。以前は、音楽会のチケットは原則として、必要枚数を全て売り出し以前に物理的に印刷したものです。そして、この印刷し終わったチケットを販売窓口に配ったのです。販売窓口は、主催者・ホール・それに各種のプレイガイドと称する販売店でした。購入する方は、これらの販売窓口の何れかに出向きまして、目の前のチケット本体を見ながら購入したのです。プレイガイドには彼ら同志の横の繋がりもあった様で、売り切れて居ますと他の店に問い合わせて取り寄せて呉れたりしました。僕たちは、あそこのプレイガイドは、同じA券でもより良い席を確保している事が多い等と言うのが、情報としてありまして、そんなお店に通ったものです。ですから、購入の決済はチケットと現金の交換を以って終わりでした。
ここ暫くの間に本当に多くのホールが出来ました。中には、クラシック音楽専用のホールもありますし、他の芸能の上演も考慮にいれたやや多目的なホールもあるようです。これらのホールの持ち主も、国の場合もありますし、地方自治体が運営しているもの多そうですし、私企業の持ち物もあり又ある種の第三セクター方式で所有しているものもあるらしいのです。この結果、首都圏ですと、それこそアチコチに在ります。収容人員が2,000人規模の大ホールもあれば、中位のもの、小さいものと、そのサイズも区々です。これら大小様々なホールで各種のオンサートが連日開かれているのです。先日ご紹介した「ぶらあぼ」(⇒Vol.71 音楽会とのご縁 「チラシ」 参照)のコンサート検索を致しますと、知らないホールや名前は見た事があっても行った事の無いホールが如何に多いかに驚かされます。