クラシック音楽の各ジャンルごとの入り口のご案内の三回目、今回はヴァイオリン音楽の世界への入り口です。
僕がクラシックの音楽を好きになった切っ掛けは、家にあったSPを聴いた事でした。そんなに数多くあった訳ではありませんで、在るものを繰り返し聞いたものです。その中に、ベートーヴェンのピアノ協奏曲の第五番「皇帝」がありまして、あの第一楽章の出始めの処や、その後に出て来る、ピアノが高音部を使って分散和音的なメロディーを奏でる処が大好きになりました。ですから最初に好きになった楽器はピアノでした。
処でヴァイオリンは暫く苦手でした。一つには、高校のクラス・ルームが音楽室の隣にあり、ここでヴァイオリンの練習をしているのが、聞こえて来たのが理由かなと、今は思います。中でも、二本の弦を同時に鳴らす重音が、耐えられない音に聞こえたものです。
カラヤンについては、多分どなたも覚えておいでの名前であるかと思います。長くベルリン・フィルの最高責任者でしたし、途中ウィーンの国立オペラの音楽監督も兼ねて居た時代もあって、「クラシック音楽界の帝王」なる尊称を貰っていたものです。
カラヤンの特徴を挙げてみますと、幾つかありそうです。先ず、演奏した音楽の幅が誰よりも(と言って宜しいかと思います)広かった事が挙げられます。ドイツ・オーストリーの諸作曲家の物から、フランス・イタリー・ロシア・東欧諸国・北欧の物まで、行く処可ならざるは無しと言った勢いでした。結果、彼の残した録音も膨大な量になります。
もう一つ上げれば、彼ほど先端技術に信頼を寄せそれを採用した人は居なさそうです。彼の初録音は1938年の様で当然にSPの時代です。戦後、LPが出現しますし、ステレオ録音が開発されます。次いでデジタル録音処理が生まれ、CDに繋がります。この夫々の技術の開発の初期から積極的に受け入れて来た訳です。それで、また録音の数が増えたとも言えましょう。
これまでの何回かで、どの様な切っ掛けでも良いので“気になった”クラシックの曲を手に入れて下さいと書きました。
現状これは具体的にはCDを多くの場合に意味します。LPは既に骨董の世界の商品となりまして、取り扱っている販売店も限りが在ります。カセット・テープは、骨董になるほど由緒のある商品を生まずにCDに駆逐されて仕舞いました。カセットの全集等も一時期は発売されていましたが、今や懐かしい昔噺です。レーザー・ディスクが流行った時代も在りました。さして古く無い事です。この媒体は、大量生産とそれに伴う安価な商品の提供と言う熟成期を迎える前にDVDに取って変わられました。DVDは、従って映像を伴う音楽の媒体として今後は大いに発展することでしょうが、実は未だに売られているソフトそのものが十分に充実しているとは言い難く且つやや割高感があるのを否めません。その内に、インターネットでお目当ての演奏を手持ちのDVDにダウンロードして、出来上がり結果OKの安価に手に入ると言う方向が一般化するのでしょう。(古典音楽にとっての映像の問題は別に独立で取り上げて見る積もりです)