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古典芸能入門

歌舞伎、文楽、落語に能、クラシックコンサートといわれると、なんだか敷居が高いと思っている方もいるでしょう。 でも歌舞伎にしても文楽にしても昔は庶民の娯楽でした。芸が芸能になり芸術になってしまうともはや文化の領域で自分とは関係ない世界のものと思ってしまったら人生の楽しみは半減します。 このコラムは観客歴40年以上という篠原安心院(しのはらあじむ)さんが、独自の視点で作品を楽しむポイントや役者の話、作品の背景からチケットの買い方、劇場の席を選ぶ方法などがわかる古典芸能をすんなり楽しむためのポイントを優しく親切に教えてくれるコラムです。 安心院さんの厳しくかつ軽妙な文章を読めば、いつしかあなたも古典芸能通になれます。お楽しみに!

Vol.162 古典音楽  「 バッハ ブランデンブルグ協奏曲 」

2010年8月14日(土)

 前回は、バッハの「管弦楽組曲」を取り上げて見ました。後2曲程バッハを続けましょう。バッハと言うと、いきなり拒絶反応を示す人が少なく在りません。その理由を尋ねますと「難しい」とか「判り難い」等の答えが先ず返って来ます。さて、本欄をお読み下さる方々は、既にご承知の事でしょうが、音楽とは、頭で理解して聞くものでは在りませんね。先ずは心地よい音の流れとして聞えて来るかが問題な訳でしょう。その心地よい音の流れは、何回聞いてもそう聞えるか、或いはより複雑な思いを呼び起こしながら度毎に新鮮に聞えるか、はたまた直ぐに厭きてしまうか、この辺りに当該の曲の持つ根源的な価値が見え隠れしそうです。

刺激の多い且その刺激が徐々に大袈裟になりつつある現代に於いて、バッハの曲は、編成も小さく、表現方法も繰り返しの様な同じに聞える部分が多いので、言わば人を驚かす様な訴え方は在りません。しかし、聞いて居てこんなに安心出来る曲も少なく、だから何回聞いても何時も新鮮に響きます。その様な曲が、前回の組曲であり今回の「ブランデンブルグ協奏曲」なのです。

 

 この曲は、実は6曲の塊全体を呼びます。個別には一番から六番迄の番号が付いて居ます。全体の特徴は、独奏楽器が複数登場する「合奏協奏曲」と呼ばれる範疇に入りますが、その独奏楽器群は、個々の曲により異なります。

 

先ず一番。ヴァイオリンが主役でこれにホルン・オーボエ・ファゴット等が独奏群を構成し、弦楽と通奏低音がこれに加わります。

第二番。トランペット・フルート・オーボエが独奏楽器で、中でもトランペットの活躍が印象的な曲です。

第三番。弦楽合奏と通奏低音とで演奏される曲で、独奏部分はこれらの弦楽器が適宜受け持ちます。

第四番。ヴァイオリンと二本のフルートが独奏楽器です。このフルートは時に縦笛(リコーダー)で演奏される事もあります。第二楽章のフルートが断然素敵に響きます。

第五番。フルート・ヴァイオリン・チェンバロが独奏群を為します。中でもチェンバロが印象的な活躍をします。6曲の中で一番人気の高い曲となっています。

第六番。ヴィオラとヴィオラ・ダ・ガンバと呼ばれるチェロの類の楽器、それにチェロが独奏楽器群を作り、合奏弦楽器は居らずにあとは通奏低音のみと言う、極めて特徴的な曲です。

 

 こうやって纏めて見ますと、実に多彩な曲の構成になって居ます。一つには、どうやらこの曲は、就職運動の為もあってブランデンブルグ侯に献呈された様なのですが、自ら融通無碍な作曲の才能を展開しようとしたとの解説もあります。又、演奏をする機会に依って夫々に異なる楽隊の編成に素直に合わせて曲を作り上げられる才能・即ち偉大な職人芸の極致である等の解説もあります。そんな解説を聞いても、何かが判る訳では在りませんね。

 

 端的に聞き入って見て下さい。バッハの楽天的で、“人”への肯定的が見方が健康に響いて来る筈です。

 

 演奏は、組曲と同様にモダン楽器での演奏と古楽器でも演奏が入り混じり沢山あるかと思います。安かったでもジャケットが気に入ったでも宜しいので、先ず一枚手にして見て下さい。そしてそれを何回も聞いてやって頂きたいのです。勿論実演のチャンスが在りましたら、これに越した事は在りません。



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この投稿は 2010 年 8 月 14 日 土曜日 5:25 PM に 未分類 カテゴリーに公開されました。 この投稿へのコメントは RSS 2.0 フィードで購読することができます。 コメントを残すか、ご自分のサイトからトラックバックすることができます。

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